会長挨拶

この研究会は2018年の夏頃、京セラ株式会社稲盛ライブラリーから私(宮本)に次のようなご提案があったのを発端としています。

「稲盛ライブラリーは稲盛和夫の思想の継承と啓蒙にあたることを使命としており、稲盛に関するあらゆる資料を保管している。稲盛の企業家活動およびそれに対する大きな社会的関心を考えるとき、この資料は稲盛一個人あるいは京セラ一社のために秘蔵すべきものではなく、広く社会で活用されるべきものと考えている。そのためには、まずこれらの資料を学術的見地から体系的に整理し、管理しなければならない。同時に、資料は保管するだけでは十分ではない。稲盛についてはこれまでも、学術研究、小説、論評など様々なものがあるが、その本格的学術研究は未だ不十分であると考えている。稲盛ライブラリーの資料を十二分に活用して、稲盛和夫研究を継続的に遂行する研究者組織を立ち上げることができるならば、稲盛ライブラリーとしてはこれを将来にわたってサポートしたい」

稲盛和夫名誉会長は昭和・平成時代はもちろん、日本の企業家の歴史に燦然と輝く存在であり、いま最も世界的に著名な日本の企業家であります。このような方が、ご自分の資料を広く社会に公開し、学術研究のために供したいとされたのは大変な英断であります。私は、これは企業家研究や企業経営研究、経営史研究にとって、またとない有り難いお申し出であると考え、稲盛和夫研究に関心を有している十数名の研究者の方にお声がけをいたしました。

その結果立ち上げることができましたのが、「稲盛和夫研究会」であります。発足に際して決議いたしました「研究会会則」において、研究会の目的は「稲盛和夫研究の深化を図り、企業経営ならびに社会の進歩発展に寄与することを目的とする」といたしました。

稲盛和夫名誉会長、京セラ株式会社、京セラ稲盛ライブラリーのご英断とご支援に深い敬意と謝意を表し、挨拶とさせて頂きます。

稲盛和夫研究会会長
宮本又郎(大阪大学名誉教授)

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